秋がきて,そして過ぎ去っていく
勉強をしながら音楽を聴く.
私はケルト音楽を演奏する癖に,普段はEDMかテクノばかり聴いている.
今日もApple musicで適当なプレイリストを見つけて作業を進める.
何曲目かに流れてきたのは私の好きなAviciiの「The Days」だった.
もう彼が死んでから一年半も経とうというのに,季節はまわるし音楽は輝いている.
秋を知っているだろうか.
夏と冬の間の季節.
芸術,運動,音楽,食などなどなど,様々なものを背負い込まされている季節.
紅葉,松茸,焼き芋,涼しさ,夕暮れの美しさなどなどなど,それらの断片が私に秋を知らせる.
でも,私は秋がなんだかよく知らないような気もする.
薄手のコートはすぐに使えなくなるし,コスモスも気がつくと終わってるし,きのこや焼き芋も冬の食材へと変化していく.
期待の割に,よくわからない季節.そんな印象だ.
紅葉や美味しいものたちよりも,もっと秋を感じる瞬間がある.
それはやっぱり,夏の終わりだ.
夏の終わり.
この間まで暑かったのに,部活終わりに学校から帰る夕暮れはもう寒くて
下り道の自転車が切っていく風は、もう冬の匂いがして
そんなふうに、ちょっとセンチメンタルになる帰り道も
リプトンを水みたいに飲む高校生も
夜と夕暮れの間の空気も
そんな全てが秋の近さを知らせる.
冬の気配の,一番外側.
そんな気がする.